時の風吹く庭園 旧岩崎邸 
2013-5-21・シニアネットきさらぎ・柴田芳江 

明治29年(1896)日本mの建築史に残る洋館が建った。三菱創設者・岩崎家本邸である。 
設計は英国ロンドン生まれのジャサイア・コンドル・1877年日本政府の招聘により来日。
工部大学校造家学科(現東京大学工学部建築科)の初代教授に就任、日本で初めての 
本格的なおう西欧式建築教育を行った。 
門下には東京駅の設計で有名な辰野金吾、赤坂離宮を設計した片山東熊がある。 
(コンドルは68歳で日本にて永眠) 
 
感性当時は20棟以上の建築があったが現在は3棟。うち1棟が木造2階建て・地下室付きの 
洋館で本格的な洋風建築である。17世紀の英国ジャビアン様式を基調にルネサンスや 
イスラム風のモチーフなどが採り入れられている。洋館の南側のベランダには列柱が並ぶ。 
1階列柱はトスカル式、2階列柱はイオニア式の装飾が特徴的である。 
米国ペンシルバニアのカントリーハウスのイメージも採り入れており併設された和館との 
バランスは本当に素晴らしく世界の住宅史においても希有の建築とさている。 
 
 
 
岩崎邸は昭和27年(1952)に国有財産となる。 
戦後、GHQに接収され、最高裁判所司法研修所などとして〜1970年まで使用された。 
そのときに使用されたとされる家具が2点ばかり置いてありボランティアの説明ではこの家具は 
おそらく岩崎家のものではない。家具にしてもそれだけ吟味されたものを備えていたといえる。 
 
撞球室(ビリヤード場)は洋館から少し離れた位置に別棟として建つ。 
ジャコビアン様式の洋館とは異なり当時の日本では非常に珍しいスイスの山小屋風の造りと 
なっている。全体は木造建築で、校倉造り風の壁、軒を深く差し出した大屋根など、木造ゴシッ 
クの流れをくむデザインである。洋館から、地下道でつながっている。 
(現在は修復作業で閉鎖されていて見学はできなかった)